大阪地方裁判所 昭和51年(わ)126号 判決 1977年2月28日
被告法人
本店所在地
大阪府豊中市利倉一丁目九番一号
商号
株式会社中山石渠店
代表者
中山朝憲
被告人
本籍
大阪府豊中市中桜塚五丁目一六七番地
住居
同府吹田市古江台三丁目二三番三号
会社役員
中山朝憲
大正一五年九月二三日生
右両名に対する法人税法違反被告事件につき、当裁判所は検察官足達襄出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。
主文
被告法人株式会社中山石渠店を罰金六五〇万円に、被告人中山朝憲を懲役八月に
それぞれ処する。
被告人中山朝憲に対し、この裁判確定の日から二年間、その刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告法人株式会社中山石渠店は大阪府豊中市利倉一丁目九番一号に本店をおき石材の加工及び販売業を営むもの、被告人中山朝憲は同会社の代表取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、被告人中山朝憲は、同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、
第一、被告法人株式会社中山石渠店の昭和四七年一〇月一日から昭和四八年九月三〇日までの事業年度において、その所得金額が四五、六〇九、四九一円で、これに対する法人税額が一六、四七八、七〇〇円であるのにかかわらず、公表経理上売上の一部を除外するなどし、これによつて得た資金を架空名義の普通預金にするなどの行為により、右所得金額中一八、九五九、九〇六円を秘匿したうえ、昭和四八年一一月三〇日、大阪府池田市城南町二丁目一番八号所在豊能税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が二六、六四九、五八五円で、これに対する法人税額が九、五一〇、九〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により法人税六、九六七、八〇〇円を免れ、
第二、被告法人株式会社中山石渠店の昭和四八年一〇月一日から昭和四九年九月三〇日までの事業年度において、その所得金額が九六、九九五、八一四円で、これに対する法人税額が三七、六四一、五〇〇円であるのにかかわらず、前同様の行為により、右所得金額中六四、二一七、三八八円を秘匿したうえ、昭和四九年一一月三〇日、前記豊能税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が三二、七七八、四二六円で、これに対する法人税額が一一、九七六、七〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により、法人税二五、六六四、八〇〇円を免れ
たものである。
(証拠の標目)
一、被告人中山朝憲の当公判廷における供述、検察官に対する供述調書、大蔵事務官に対する各質問てん末書
一、中山澄子の検察官に対する供述調書
一、中山澄子、佐藤充弘、高田保三、渋田進、石森巌、崎原源徳、山口健二、山口正一、工藤富士一、阿部操、斉藤勉の大蔵事務官に対する各質問てん末書
一、小林昭、中山澄子、村山節子三宅明美、吉田和男、高田保三作成の各確認書
一、山田湧一作成の供述書
一、大蔵事務官作成の各証明書、各脱税額計算書、各調査てん末書、各差押てん末書、「査察官調査書類」と題する書面
一、被告法人の登記簿謄本
一、押収してある各証拠物(昭和五一年押第一〇六九号の一ないし三〇)
(法令の適用)
被告法人株式会社中山石渠店につき
一、判示各所為
各法人税法一六四条一項、一五九条一項、二項(七四条一項二号)
一、併合罪加重
刑法四五条前段、四八条二項
被告人中山朝憲につき
一、判示各所為
各法人税法一五九条一項(七四条一項二号)(所定刑中いずれも懲役刑選択)
一、併合罪加重
刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の重い判示第二の罪の刑に法定の加重)
一、執行猶予
同法二五条一項
よつて主文のとおり判決する。
(裁判官 栗原宏武)